福井県土地家屋調査士会

我々は土地建物の登記に関する専門家です。

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土地家屋調査士と司法書士の業務区分を教えて下さい

Q1

建物新築の登記をするのに、土地家屋調査士と司法書士の両者に依頼しなければならないと聞きました。両者の業務区分をお教え下さい。

A1

登記に携わる資格者として、司法書士と土地家屋調査士の制度があります。

まず、両資格者の不動産の登記に関する主な業務内容を列記します。

▽司法書士

1、所有権に関する登記
(イ)所有権保存 (口)所有権移転(売買・贈与・相続)

2、所有権以外の権利に関する登記
(ハ)地上権・質権・抵当権等の設定や抹消等

3、その他の登記
(ニ)仮登記・回復登記等

▽土地家屋調査士

1、土地の表示に関する登記
(イ)土地表示 (口)地目変更 (ハ)分筆 (ニ)合筆 (ホ)地積の更正又は変更

2、建物の表示に関する登記
(イ)建物表示 (ロ)種類・構造・床面積の更正又は変更 (ハ)分割又は合併
(ニ)区分所有 (ホ)滅失等

お尋ねの建物新築に際しては、建物の所在・種類・構造・床面積等の物理的状況を明らかにする事項と所有者をはじめて登記記録に登載する「建物の表示登記」をしなければなりません。(土地家屋調査士業務)

この登記が根本となって、次に登記記録の甲区に所有権の登記をするための「所有権保存の登記」を申請して、登記済証(いわゆる権利証)が出来上がります。(司法書士業務)

このようにその業務区分は明確になっております。

詳細については、司法書士または土地家屋調査士事務所でお尋ね下さい。

なお、4月1日(表示登記の日)に『無料法律登記相談』を、県下23会場で開催します。登記に関連することでお困りのことを最寄りの会場でご相談されることをお勧めします。

 

共有物分割の登記とは一体どういうことでしょうか?

Q2

仮換地時に土地を購入し、区画整理が完了したところ、市役所から「土地は三人の共有地ですので、共有物分割の登記をしてください」と通知がありました。権利証もあり、隣地との境界もはっきりしているのに、一体どういうことでしょうか。

A2

共有物の分割とは、複数の人が権利を有する共有物について、その共有関係を廃止し単独の所有とすることです。

ご質問の場合は、一筆の土地を三人で共有しているわけです。登記済証(権利証)を見てもらうと、持ち分で共有関係が登記されています。

そこで各共有物の持ち分に応じた割合で三筆に分ける分筆登記を申請します(土地家屋調査士業務)。

しかし分筆登記がなされても、アメーバーのように三筆に共有関係が分かれただけでまだ単独所有になりません。

次に、共有物分割を原因として、お互いに権利を取得し合う「共有持分移転の登記」をすることによってはじめて単独所有となります(司法書士業務)。

この分筆および共有持分移転の両登記をするには、三人全員の同意が不可欠で登記に要する費用もかなりの高額となります。三筆に分筆登記すると、二筆分の土地登記記録が新設され、地籍測量図も法務局に永久保存されます。個々の形状、境界や地積が正確に反映されますので将来に影響を与える重要な登記です。また、共有持分移転登記には、共有者全員と抵当権者(銀行など)の同意が必要で、実印押捺(印鑑証明書添付)を要し、一人でも欠けると事実上不可能となります。事前に専門家に相談されて、関係者の納得を得る必要があります。

 

市役所や登記所には明治初期の地図しかないとは本当ですか?

Q3

戦災で焼失を免れた地区ですが、古い家を取り壊して建て替えようとしたところ、隣家から境界についてクレームがつきました。市役所や登記所には寸法の記載された図面があるはずと思ったのですが、明治初期の地図しかないとのことでした。本当でしょうか。

A3

今日の航空測量や、光波による測定、計算から図形までコンピューターを駆使して、たちどころに処理できるほど測量技術は日進月歩しています。

しかるに、残念ながらお尋ねのとおり、法務局(登記所)や市役所に備え付けられた公図(土地台帳付属地図)は、明治時代に土地に課税する目的で作成された地図であり、この公図に頼っているのが実情です。精度は劣りますが、土地の位置や形状の概略は把握できます。

法務省では、経緯度と関連づけて、区画を現地で復元できる新しい「地図」づくりのため、不動産登記法が昭和35年に改正されたのを機に、整備の段階に入っております。しかし全国各地を網羅するには相当の年月を要します。

最近の区画整理や土地改良による換地確定図、または国土調査の地籍図等も部分的に備わっている地域もあります。土地家屋調査士等が作成した「地積測量図」も法務局に永久保存され、参考資料として重要な役目を果たしております。

皆さんが所有する大切な土地の所在や境界を位置づける資料に乏しい場合には、相互に互譲承認し合うことが最も大切ですが、境界点を示す自然物や約束事については単に記憶に頼るだけではなく、専門家である土地家屋調査士に依頼して、よく事情を説明し、正確な測量図を作成してもらってください。

 

共有の登記とはどのような登記ですか?

Q4

私ども夫婦は共稼ぎで、念願の土地付き住宅を買うことにしました。登記は夫名義にしようと思っていましたが、友人の話によれば、夫婦共有の方が良い、と聞きました。共有の登記とはどのような登記ですか。

A4

共有とは、二人以上の人で一つの物を所有する場合を言います。土地建物で共有となる場合は、相続や土地区画整理事業中の仮換地の売買などで生じます。普通の売買で共有になるのは、買い主の支払い代金を二人以上の方が出した時です。

あなたの場合、例えば売買代金総額が2000万円として、ご主人が1500万円、あなたが500万円を出して購入しますと、その土地建物は、ご主人は四分の三、あなたは四分のーという持ち分の共有となります。あなた方お二人が共稼ぎだから、単純に二分の1ずつというわけではありません。また、借入金は、だれの名義で借りたかによって決まります。ご主人が借り入れれば、その分はご主人の持ち分となります。

ご友人のアドバイスは貴重なもので、もし、あなた名義の資金が出ているにもかかわらず、全部をご主人名義にされると、税務上、贈与税の対象になることも考えられます。このケースで、税務署で指摘され贈与税の大きさに驚き登記名義を訂正する人を毎年見受けます。

事後、余計な心配と費用の無駄使いをしないため、あらかじめ十分計算をして登記名義と持ち分を決めましょう。

 

土地家屋調査土の資格と仕事内容を教えて下さい

Q5

貴新聞のこの欄に、土地や建物の登記について土地家屋調査士の回答が掲載されていますが、この土地家屋調査土の資格と仕事内容をお教えください。

A5

この土地家屋調査士は法律に基づいて、年一回行われる国家試験に合格した者に法務大臣から資格が与えられます。

土地家屋調査士(以下「調査士」という)の仕事は、法第三条で「調査士は他人の依頼を受けて不動産の表示に関する登記につき必要な土地または家屋に関する調査、測量、申請手続きまたは審査請求の手続きをすることを業とする」と明記されています。他人の依頼に応じる義務を定め、他人をしてこの業務を取り扱わせることを禁じ、調査士自らが業務を取り扱うことを義務づけられています。

不動産の表示の登記とは、不動産に関する権利の客体である土地または建物の状況を正確に法務局備え付けの土地及び建物の登記記録へ所要の事項を記載する登記のことをいいます。

例えば、土地の一部を分割して二筆にするとか、建物を新築(増築)したとかの場合、これらの登記をするためには現地の物件を測量して申請書に添付する図面が現地と一致していることを確認して登記記録に記載されます。

このような測量及び申請行為を本人からの依頼により代理人として法務局に申請するのが調査士の仕事です。またこれに付随した業務として隣地との境界が不明とか、官民境界の現地確認とかについて、測量等を行うこともあります。

「常に品位を保持し、法令及び実務に精通し、公正かつ誠実にその業務を行うこと」と「職責」が規定されています。

このように、調査士の業務は、たぶんに公共性を帯びまた独占的であるために職業倫理が強く求められております。

 

腐りかけた境界標を打ち直したいのですがどうすればよいですか?

Q6

分譲地を買って10年近くになります。隣地との境界は木杭に赤ペンキを塗ってあります。この杭が腐りかかっていますのでコンクリート杭にしたいのですがどうすればよいでしょうか。

A6

土地家屋調査士にご相談ください。

土地の境界は所有権、地上権、賃借権などの土地に関する権利の範囲を明確にするために必要欠くべからざるものです。境界標はこの境界を示すために用いられる目印です。境界の紛争のほとんどは、この境界標がなかったり、失われてしまったりしたことから生じます。

土地家屋調査士は、単に木杭をコンクリート杭に打ち直すだけではありません。その設置については分譲した際の地積測量図(寸法図)、登記記録など多くの資料を調査したうえで現地に臨みます。現地では、資料に基づき調査・測量を行います。現存する木杭に間違いがないかを点検するわけです。必要があれば隣接地所有者の立ち合いを求め、境界が確認されてから、コンクリート杭を設置します。

こうして明確になった境界だからといって、いつまでも万全とはいえません。隣接地の建築工事によって、せっかく設定した杭が移動したり、なくなったりすることもあります。地盛りによって杭がかくれ、大騒ぎして測量すると出てくるときもあります。設置された杭は”点”を表示するだけですので、できるだけプロック塀、擁壁などの”線”を表示する構造物によって保護し、境界線を明確にすることをお勧めいたします。

 

建物が建っている土地の借地権を主張できる方法はありますか?

Q7

土地を借りて住宅を建築し住んでいます。土地については、地上権の登記も賃借権の登記もありません。また建物についても未登記です。このような場合、仮に地主が変わったことを思うと不安です。良い方法があるでしょうか。

A7

借地に建築されている建物は、借地人が自らの建物について建物表題登記をすれば、地上権や賃借権の登記が無くても第三者に借地権のあることを主張できます。

一般的に例えば建物の所有を目的として土地を借りている場合、地上権や賃借権の登記をすることが本来の姿なのです。しかし現実にはほとんど行われておりません。そのために、理論的には地主が変わると借地人は新しい堵主に賃借権のあることを主張できないという結果になります。以前は、借地人に借地権の登記がないことをいいことに土地所有の名義を仮装的に他人に書き換え、新地主から借地人に対して、土地を明け渡すか、または地代値上げに応じさせるか、二者択一の請求を迫り地代の値上げを強要するということが行われました。そのことから借他人を守るために建物保護に関する法律が施行されました。それによれば地上権又は賃借権の登記がなくとも借地権にもとづく自らの建物に建物の表示登記をすれば第三者に対抗できることになります。建物の表示については土地家屋調査士におたずねください。

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